お初の松(初島) 

 熱海から高速船ですぐの初島。船を下りてすぐ、立派な松の木が観光客を出迎えてくれます。

 実は「お初の松」と名付けられたこの松には、悲しい恋の物語が隠されているのです。
大昔、初島は住む人が六軒しかない寂しい島でした。17歳の美しい乙女が伊豆山のお祭りで、右近という若者を好きになりました。「百夜通えば結婚する」という約束でお初は海上三里(約12キロ)をたらいにのって通っていましたが、九十九日目の夜、お初に横恋慕した男が目印の火を消してしまったため、お初は波にのまれて死んでしまいました。
右近はお初の弔いに諸国巡礼の旅に、火を消した男は七日七夜苦しんで遂に死んでしまいました。そんなお初を偲び、「お初の松」と名付けた松の木を、島の人は大切にしています。(お初の松碑文より)

 観光客を温かく出迎えてくれるこの松を見物に、熱海の別荘から足を延ばしてみるのはいかがでしょうか。

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