磯内膳の墓(初島)

 熱海から高速船に乗り、初島港を背に左側へ歩き進むと石で造られた磯内膳という名の小さなお墓があります。このお墓には、ある物語が隠されています。

 『その昔「磯内膳」と云う小田原の侍が居た。彼は精神病でしかも酒乱の癖があった為、この初島に流され長い間療養していたという。在る時、彼が散歩をしていると通りかかった農夫「越後孫兵衛」の運ぶ肥料の露が袴に掛かってしまった。すると、それに腹を立てた内膳は孫兵衛に果し合いを迫った。困った孫兵衛は家に戻って考えた末、覚悟を決めて大きな斧を研ぎ始めた。そんな孫兵衛の様子を見た内膳は彼の勇気に驚き「お主の心はわかった。」と許したという。そんな内膳はその後もしばしば島民を困らせた為、御上より切腹を命じられ「小田原の見えるところに埋めてくれ」と言い残しこの世を去った。』(碑文より)

 美しい島に今も残る彼のお墓を見に、別荘から出かけてみるのはいかがでしょうか。

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